地獄八景亡者戯聞き比べ
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この私、英国ロンドンに住みながら、上方落語のファン。朝夕車で通勤しているのですが、車の中で、いつも落語のCDを聞いています。上方落語のネタで一番好きなものは何?と尋ねられたら、躊躇なく「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)と答えるでしょうね。大袈裟な言い方ですが、この噺(はなし)の中には、上方落語、ひいては上方の笑いのエッセンスが凝縮されていると言っても過言でない、と思います。
今回、米朝、枝雀、吉朝、文我、文珍の五人の演者によるこの噺を聞き比べてみました。演じる人の芸風や性格、演じられた時の世相などがよく反映されており、とても興味深かった。自分自身の思い出も絡ませて、エッセー風に、この作品を紹介していきたいと思います。
筆者紹介:
川合元博(かわいもとひろ)
一九五七年京都生まれ、金沢大学、大学院でドイツ文学を専攻、ヨーロッパ在住二十余年。
永らくマラソンと酒を生き甲斐としたが、最近心臓を悪くして走ることからは引退。
現在は、シェークスピア、落語等、東西の古典に傾倒中。