Die
Welt von Patrick Süskind
パトリック・ズースキントの世界
1980年代から現在に至るまで、ドイツにおけるベストセラー、超ロングセラー作家であるパトリック・ズースキント。謎につつまれた、作家とその作品に注目してみたい。
ズ−スキントは随分人間嫌いな人らしい。インタビューは受けないし、作品以外のものは書かないらしい。
一九四九年、南ドイツのアンバッハ生まれとある。お父さんも物書きであった。ミュンヘン大学で歴史を勉強した後、交換留学でフランスで過ごしている。卒業後、もっぱら舞台やテレビドラマの脚本を書き、小説として出版されたのは、一九八五年、この「香水」が最初である。
しかし、彼の作風を、このおどろおどろしいがダイナミックな「香水」からのみ判断していただいては困る。それ以外の作品「鳩」は小市民の内面を重箱の隅をほじるように描いている。また「ゾマー氏の物語」は一転して軽快で、ユーモアとペーソスに溢れている。結構、「書き分けられる」タイプの作家であるという感じがする。(「香水」の書評より)
Kontorabaß:
1980
Das
Parfum, Die Geschchite eines Mörders: 1985
Die
Taube: 1987
Die
Geschcite von Herrn Sommer: 1991
筆者の紹介:
川合元博 (かわい もとひろ)
1957年京都市生まれ。金沢大学、大学院でドイツ文学を専攻。1984年某ファスナーメーカーに入社。同年より海外駐在員としてドイツ赴任。1991年ロンドンへ転勤。1996年現地で転職。現在、システムエンジニア。ビールとマラソンを好む。妻、真由美との間に子供3人。2000年6月より1年間ドイツに単身赴任。