石焼ラーメンと純和食
車窓に富士山が見える。
三月二十三日、日曜日。昨夜は、サチコ夫婦に「石焼ラーメン」の店に連れて行ってもらった。どんなものか見当も付かなかったが、石で出来た容器に、ラーメンと具が入っていて、その容器がチンチンに熱せられている。そこにスープを入れて食べるのであるが、スープを注ぐと、ちょっとした水蒸気爆発を起こすというのが「ミソ」であった。食べたのは「醤油味」であったが。その店の名も「火山」。
八時半に三人で家を出て、散歩がてら宇都宮駅へ向かう。お土産は恒例の宇都宮名物「餃子」をいただいた。九時四十九分の「マックスやまびこ」で東京へ。東京から十一時三分発の「ひかり」に乗り、京都へ向かう。東京駅には次々新幹線が到着する。その度に数十人の清掃チームが社内に入り、社内を掃除し、カバーを交換し、ゴミを捨てて、十分後には次の客を迎える。それが延々と繰り返されている。
今日もグリーン車には数人しか乗客がいない。少しウトウトして目を覚ます。列車は沼津あたりを走っている。間もなく右側に富士山が見え出した。富士山が見えなくなると、また眠る。ここ数日、ずっと眠くて仕方がない。ボチボチ旅の疲れの出る頃かも知れない。「ひかり」は無事午後三時前に京都に到着。地下鉄で実家へ向かう。
その夜は姪の父母とカサネと四人で和食レストランへ夕食を食べにでかけることになっていた。カサネは今大阪で独り暮らしをしている。最近ほとんど外へ出ることのない父が、外出しようという気になっているのは頼もしいことである。
五時に、恋人募集中二十八歳のカサネが到着。迎えに来てもらったタクシーで西大路にある和食レストランに向かう。今日は若い女性がいるので、何となく雰囲気が華やぎ、楽しい夕食となった。和食、基本的に、僕は、小さな皿に色々な料理が少しずつ乗っている、チマチマ感が好きなのである。今日は父もまあまあ良く食べているようだ。
夕食後、タクシーで戻る。まだ七時過ぎである。父は疲れたのか、先に床に就くと言って、寝所へ行った。僕はそれからカサネの人生相談の相手をしていた。もちろん結婚相手のことである。平均的なサラリーマンを夫にして平均的な生活をするのがよいか、ちょっと変わった相手を選んでエキサイティングな生活をするのがよいか。その答えは全て彼女次第だと思うのだが。どんな選択をしても、それを正解に持っていくのは自分なのだよ。
八時半にカサネを送っていく。その後、何となく眠いが、眠る気になれず、インターネットで遊んでいた。夜が更けるとともに寒くなってくる。
京都に戻り、金沢へも顔を出し、目的の鉄道博物館も見た。これでとりあえず「予定」は終了した。色々な人と話して楽しかったが、少し話し疲れたのも事実である。あと五日間は本当の「休暇」「休養」の部分、のんびりしようと思う。
今週、幼馴染のイズミに会う予定にしている。数日前から何度か携帯に電話を入れているのだが、つながらない。明日、彼女の姉さんのサクラに聞いてみよう。
和食レストランにて。