いよいよソロモン諸島へ
熱帯雨林トレッキングの途中で。
その辺りには熱帯雨林の中のトレッキングコースがいくつかあるとのこと。僕の体調と心臓を考えて、ロビンがその中の一番軽いやつを選んでくれ、そこを歩いてみることにした。ジャングルの中を歩く。途中、木のツルにぶら下がって、エリーがターザンの真似をしている。行き着いたところは小さな滝だった。ガダルカナル島ではもっと過酷なジャングルの中を歩くことになるのだが。
四時頃には、K子さんの家に戻る。ロビンはエリーの宿題を見て、レオはお昼寝。平和な時間だ。台所で夕食の支度をするK子さんと、今日もまた「しみじみ」と日本語で話をする。(家族全員でいる時は僕も英語で話すので。)
それにしても、暑すぎることもなく、寒くもなく、理想的な気温だ。夕方、やっとソロモン諸島のG君に電話連絡がついた。(これまで、何回も電話を試みたが、一度もかかったことがなかった。)
「オッケー、どうぞ来てください。」
との返事だ。それをK子さんに伝えると、彼女は少し寂しそうな顔をした。
日中はそれほど眠くなかったのだが、夕食後、ロビンとK子さんとソファで喋っていると、たまらない眠気に襲われた。九時には床に入る。明日はいよいよソロモン諸島。
十二月二十三日、朝三時半に目が覚めたので慌てて荷造りをする。しかし、買ったスノーケルの他には、大した荷物もない。暑いところへ行く時は、荷物が少ないので助かる。スニーカーはK子さん宅に置いて、サンダルで行くつもり。十二月三十日にまたここへ帰ってくるので、大部分の荷物は置いていけるのだ。荷造りの後、また少しウトウトとする。六時半にK子さんが起きてきて、朝食の用意をしてくれた。またご飯と納豆と海苔。彼女の心遣いが有り難い。
七時過ぎに彼女の運転で空港に向かう。途中のガソリンスタンドで給油。僕は車の中で待っている。スタンドを出て、車が走り出してから、
「あそこのスタンドのお姉さん、なかなか愛想が良くて素敵よ。」
とK子さんが言った。
「あのね。そう言うことは、前もって言ってもらわないと困るんだけど。そうしたら、お金を払うとき僕も一緒に行ったのに。」
何故か急に可笑しくなり、二人で大笑いをする。
道は空いていて、八時にはブリスベーン空港に着いた。飛行機が飛ばなかったときのことを考えて、K子さんは、わざわざチェックインカウンターまで着いて来てくれた。「飛んだらラッキー」ソロモンエアラインだが、今日は無事飛ぶとのこと。荷物を預けた後、会ったときと同じようにハグをして彼女と別れる。彼女は言った。
「十二月三十日にはロビンがゴールドコーストから迎えに来るからね、一緒にニューイヤーズイヴを過ごしましょう。」
クリスマスを控え、K子さんの周囲の家々はイルミネーションされている。