パウロ・コエーリョ

Paulo Coelho

ブラジル

1947年〜)

 

「錬金術師」

Der Archimist

(1988)

童話とか寓話と考えるには余りにも大規模で、奥が深い。物語の展開も、登場人物も現実離れしているのだが、それでいて妙に生々しい印象を受ける。また、その登場人物の語る言葉も、非常に考えさせられるものがある。なかなか面白く、しかも「人生いかに生きるべきか」の勉強になる小説。

 

「ヴェロニカは死ぬことにした」

Veronika beschleßt zu sterben

1998年)

スロヴェニアの精神病院を舞台にした物語。「ところで『スロヴェニア』ってどこにあるの?」これに答えらえる人は、スロヴェニア以外では殆どいないと思う。まさにその問いかけから、物語は始まる。

 

「女スパイ」

ドイツ語題:Die Spionin

原題:A Espiã

2016年)

コヘーリョの偉い所は、世界中の何時の時代、どこの場所を舞台にした小説を書いても、まるでそこの国の人がその時代に書いたような、自然な印象を受けることだ。おそらく彼はそのために、膨大な時間を資料収集に費やしているのだと思う。第一次世界大戦中、スパイの罪で、フランスで処刑されたマタ・ハリの物語。彼女は本当にスパイだったのだろうか・・・

 

 

<書評のページに戻る>